こんにちは、現役編集者るーみのです!
突然ですが、学生時代僕は小説の編集者志望でした。
現在は出版社に入社し、編集者として働いていますが、新卒で入った会社は異業種のIT系で。
いわゆる転職組というやつですね。
そんな紆余曲折を経て小説の編集者になった僕が、就活で編集者志望の方に向けて、「編集者になるにはどうすればいいか?」をお教えします!
編集者のなり方は主に3つ!
・出版社に入る
・編集プロダクションに入る
・フリーランス、契約社員で業界に飛び込む
になります。
では、詳しく解説させて頂きます!
編集者とは?仕事をざっくり紹介
まず大前提として、この記事を読んでいる方は、漫画・小説・雑誌を含む「紙媒体の編集者を目指している」と仮定してお話させて頂きます。
この記事にたどり着いたということは、ある程度いろいろ調べてお勉強できる意欲の高い方だと思いますので、前提としてざっくりお話させて頂きます。
本を作る
編集者とは、1冊の本、ないし記事などのコンテンツを作り上げる職業です。
コンテンツを作るためなら、手段は自由。
作家や有名人に執筆を依頼したり、イラストレーターやデザイナーに本の表紙や雑誌の紙面を飾る素材を作って頂いたり。
中には文章もデザインも編集者ひとりでこなしてしまう強者もいます。
最近では、著者自身が本の内容を書くのではなく、インタビューを元にライターが書き起こすことも少なくありません。特に、ビジネス書などが多いですね。(堀◯さんの著書はほとんどがライターさんが書き起こされたものだそうです。)
雑誌では、複数のライターさんに執筆をお願いすることがほとんどです。
本を売る
また、場合によりけりですが、本の売り出し方を考えるのも編集者の仕事です。
ターゲットを決め、パッケージをまとめ、どうしたら想定読者に本のことを気づいてもらえるか考え、実行する。
出版社や部署によっては、そういう「売る」ことを手伝ってくれるところもあるのですが、やはりその本のことを著者の次に一番理解しているのは編集なので、編集者が主体となって販促活動を行なっていきます。
以前は電車広告やcm、書店での展開等が主でしたが、現在はTwitterなどのSNSを活用した販促活動も目立っています。
私の場合は小説をメインに扱っておりまして、宣伝費をあまりかけられない分野ということもあり(よほどのビッグネームの著者以外)、SNSマーケティングを頑張っています。
人間関係の構築
編集者は人と人を繋ぐ仕事です。
小説1つとっても、作家・デザイナー・イラストレーター(カバーを写真にする場合はカメラマン)・校正・営業担当者・販売担当者・校正・応援してくれる書店員さんなど、関わっている人は多岐にわたります。
また、年に複数の本を出版するため、さらにその数は増えていく。
なので、こうした人間関係をスムーズに回していくのも、編集の腕の見せ所と言えるでしょう。
編集者のなり方①出版社に入る
前置きが長くなりましたが、編集者のなり方に入っていこうと思います。
まず第一に、「出版社に入る」があります。
一番王道かつ、手堅い方法ですね。
編集者になりたいということは、好きな雑誌やレーベルがあるということだと思いますので、もしあなたが新卒でしたら、チャレンジしてみても良いのではないでしょうか。
では、このルートのメリット・デメリットをお伝えしますね。
まずはメリットから。
【メリット】
・安定した収入を得られる。
・大手出版社なら、年収1000万も目指せる。
・福利厚生がしっかりしている。
いちばん大きいメリットとしては、やはりお金ですね。
大手出版社に正社員として入れば、30代で年収1000万円も夢ではありません。
また、出版社は福利厚生がかなりしっかりとしており、長期休みの際に保養所を借りることも可能です。
では、デメリットとは何でしょう?
【デメリット】
・希望の部署に配属されないことがある。
・倍率が非常に高い。
一番大きなデメリットとしては、上記の2つになります。
小さい出版社ならともかく、中堅・大手になると、その倍率は100倍近くになることも珍しくありません。
また、試験問題もほとんどの企業で使われるSPIや玉手箱とは異なり、独自問題を採用している会社がほとんどです。
そのため、別途試験対策をする必要があります。
また、出版社といえど企業ですので、新卒で入った場合は希望の編集部に行ける可能性はあまり高くありません。
出版社というと編集者のイメージが強いですが、営業や販売、制作など様々な人が働いています。
配属希望は最初に聞かれると思いますが、それ以外の部署に配属されることも覚悟しておいた方がいいでしょう。
販売や営業を経て編集になり、活躍されている方も多いので、入社してから編集部に配属されなかったとしても希望はあります。
編集者のなり方②編集プロダクションに入る
「編集プロダクション」という単語を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか?
通称「編プロ」というのですが、こちらは各出版社の編集部から委託を受けて、編集業務を行う会社になります。
そのため、編プロに入った場合はほぼ確実に編集者になることが可能です。
では、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
【メリット】
・確実に編集者になることができる。
・さまざまな仕事を振られるため、短い期間で多くの経験を詰める。
【デメリット】
・薄給な場合が多い。
・勤務時間が長く、仕事量も多い。
編プロは多くの仕事を任せてもらえる代わりに、勤務時間が長くなりがちです。
繁忙期は会社に泊まり込み、なんてことも珍しくありません。
また、全体的に編プロは薄給な場合が多いです。
しかし、その分短い期間で成長することができるため、編プロを経て大手出版社に入りご活躍されている優秀な編集者さんが多いのも事実。
そのため、修行の場としてなら選択肢にも入ってくるかと思います。
編集者のなり方③フリーランス・契約社員で業界に飛び込む
最後に、「フリーランス・契約社員」で業界に飛び込んでみる、です。
意外に思われるかもしれませんが、実は編集者の半数以上はフリーランス・契約社員の雇用形態の方になります。
「え、ブラックだから給料を抑えようとしてるの?」
完全に否定はできないのですが、正社員以外の雇用形態の方が多い理由としては「業界内を転々とする編集が多いから」ではないかなと個人的には思っています。
編集者は、1つの会社でずっと働き続けることは稀で、ほとんどは別の編集部や出版社に数年で移っていきます。
仲良くしていた編集さんが、気づいたら別の会社に転職されていた、なんてことはよくある話。
なぜかというと、編集業務は横転換しやすい技術なんですね。
基本的には人と人を繋ぐ仕事になりますので、極論エッチな雑誌の編集者が文芸書を作ることも可能です。もちろん、その媒体ごとに求められる技術を磨く必要はありますが。
少し話が逸れましたが、こちらのメリット・デメリットを抑えていきましょう。
【メリット】
・希望の編集部に配属されやすい。
・会社に囚われず、自由に仕事ができる。(フリーランス)
大きなメリットとしては、やはり行きたい編集部で働けることですね。
フリーランスや契約社員は、その編集部単位で求人を出していることが多いのです。
また、フリーランスに限った話ですが、他の編集部での仕事も契約上請け負えることが多いので、正社員に比べて自由な働き方ができます。
【デメリット】
・正社員に比べて給料が安い。(契約社員)
・福利厚生は期待できない。
完全に正社員との比較になりますが、やはり契約社員は給料が一段下がります。
フリーランスの場合は、その人の経歴や実績にもよると思いますが、未経験で入った場合は契約社員と同じくあまりお給料は期待できないでしょう。
また、当たり前の話ですが福利厚生もあまり期待できません。
ただ、編プロと同じく修行の場と捉えるなら比較的おすすめできます。
編集者になるために学歴・資格は必要なのか?
結論から申し上げますと、「一般企業と変わらない!」です。
編集者は特殊技能を持った専門的な職業と思われがちですが、特に特殊な知識や技術がなくてもこなせる職業ではあります。
なので、色彩検定1級がないと厳しいとか、漢検を取らないといけない等の条件はありません。
しかし、出版社も営利企業。
優秀な学生を採用したい、という気持ちは他の一般企業と一緒です。
そのため、学歴は高いに越したことはない、というのが実情です。
ただ、文系でないといけないという制約もありませんし、理系で出版社に入られる新卒の方もかなりいますので、学部に関してはそこまで心配しなくても良いのかなと。
まずは、しっかり試験対策をして、出版社で何をしたいか、そのビジョンを固めていただければ、入社できる可能性は十分あると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、編集者のなり方とそのメリット・デメリットを中心にお伝えしました。
【編集者のなり方】
・出版社に入る
・編集プロダクションに入る
・フリーランス、契約社員で業界に飛び込む
以上の3つになります。
編集者は変わった職業ではありますが、その分魅力的でいろんな経歴の方のいる面白い仕事でもあります。
よかったら、自分にあった方法で編集者を目指してみてください。
ではでは!